雷対策関連法規

雷対策の2つの種類

雷対策は大きくわけて「人・建物の保護」「電気設備の保護」 の2つの目的で分類されます。前者の代表的な対策は避雷針で、
後者の代表的な対策はSPDです。

 

以下は雷対策の体系図です。(赤く囲んである部分が、SPDに関連する部分です。)
総合的な雷保護システムを構築する場合は、この2種類の対策を両立させることが重要なポイントになります。

雷対策の体系図

雷対策関連法規・JIS

対策の種類によって、関連する法規・JISは異なります。
主には以下のJISが関わりの深い項目となります。

建築物等の保護(建築設計)

直撃雷の対策(雷保護 建築物等への物的損傷及び人命の危機 JIS Z 9290-3)

電気設備の保護(電気設計)

雷サージの対策(雷保護 建築物等内の電気及び電子システム JIS Z 9290-4)

詳しくは以下をご覧ください。

建築基準法

平成17年8月

JIS A 4201:2003に改訂

  • 1992年版を適用した場合も2003年版適用とみなす
  • 2003年版と1992年版の併用は認めない
  • 保護レベルの決定や内部雷保護対策は、自己責任で決定する
消防法

令和3年5月改正

危険物の規制に関する規則

  • JIS A 4201を適用する
  • 外部雷保護レベルは原則Ⅰとする
  • 建築物内部の保安設備等に雷保護必要(平成17年4月1日施行)
電気設備技術基準の解釈

平成30年10月

工作物の金属体を利用した接地工事
(第18条第1項)(省令第11条)

平成23年制定

  • 構造体を共用接地極として利用(A,B,C,D種など
    ただし、等電位ボンディングにより接触電圧が50V以下となること
高圧受電設備規程

令和3年改正

共用・連接接地
第1編第1章第160節1160-6

  • 大地との間の電気抵抗値が2Ω以下の値を保っている鉄骨その他の金属体をA種、B種、C種、D種)及び避雷器の接地極として使用する場合は、全接地を連接接地とすること。
  • 避雷器の接地は、被保護機器の接地端子と連接接地すること(推奨)(2220-5(避雷器の接地工事)参照。)
  • 受電設備内の高圧機器、低圧機器及び避雷器にA種、C種及びD種の接地を施す場合、共用・連接できる。(注)取扱者以外のものが立ち入らないことを前提としている。
  • 総合接地抵抗値が十分に低い(10Ω以下で、かつB種接地工事の抵抗値が規定値の2/3以下程度)高圧機器のA種、低圧機器等のC種並びにD種とB種接地工事の場合、共用・連接できる。(注)高低圧混触時に高圧機器及び低圧機器の対地電圧が上昇するため注意を要する。
内線規程

平成28年改訂

住宅内の等電位化

  • 住宅用分電盤内にSPDの設置を推奨(平成17年制定)
  • 接地機器の3P配線を推奨(分電盤内に集中接地端子設置)
令和3年版 建築設備計画基準 国土交通省
  • 外部雷保護レベルの決定方法改定
    再現期間に着目した保護レベル
令和3年版 建築設備設計基準

国土交通省

  • 雷保護システム、内部雷対策、接地などを規定
令和4年版 公共建築工事標準仕様書

国土交通省

  • 電源用および通信信号用SPDの必要性能記載
  • 通信用SPDに関しては対応機種が増加

A種:高圧機械器具の接地B種:高低混触による危険防止の接地C種:300Vを超える低圧機械器具の接地D種:300V以下の低圧機械器具の接地

JIS Z 9290-1(2014) 2014 雷保護-第1部:一般原則
JIS Z 9290-3(2019) 2019 雷保護-第3部:建築物等への物的損傷及び人命の危険
JIS Z 9290-4(2016) 2016 雷保護-第4部:建築物内の電気及び電子システム
JIS C 5381-11(2014) 2014 低圧サージ防護デバイス-第11部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防護デバイスの要求性能及び
JIS C 5381-12(2021) 2021 低圧サージ防護デバイス-第12部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防護デバイスの選定及び
JIS C 5381-21(2014) 2014 低圧サージ防護デバイス-第21部:通信及び信号回線に接続する低圧サージ防護デバイス(SPD)の要求性能及び試験方法
JIS C 5381-22(2018) 2018 通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイス(SPD)の選定及び適用基準
JIS C 5381-31(2020) 2020 低圧サージ防護デバイス-第31部:太陽電池設備の直流側に接続するサージ防護デバイスの要求性能及び試験方法
JIS C 5381-32(2020) 2020 低圧サージ防護デバイス-第32部: 太陽電池設備の直流側に接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準