SPDの種類
SPDには保護対象機器や回線系統ごとに専用のSPDが存在します。
主にこちらでは、電源設備や通信機器の交流系統を保護する「電源用SPD」
、電話や通信機器などの信号・通信系統を保護する
「通信用
SPD」の2種類のSPDを中心にお客様の悩みや不安に合わせたSPDを取り扱っております。
電源用SPD
電源設備や通信機器の交流系統を保護する「電源用SPD」の中でも、直撃雷に対応する「電源用クラスⅠ」と誘導雷に対 応する「電源用クラスⅡ」が存在します。効果を発揮する雷が違うため、どちらか一方ではなく、組み合わせることでより効果的な雷対策につながります。
電源用クラスⅠ
- 設置場所
- 直撃雷が分流する可能性のある場所
- 設置例
- 電力引込口
電源用クラスⅡ
- 設置場所
- 建物内部の誘導雷が侵入する可能性の
ある場所 - 設置例
- 分電盤・制御盤
電源用SPDの設置


する雷サージを防ぐことでより強固な雷対策を実現できます。
通信・信号回線用SPD
通信・信号回線用SPDは異常電圧・電流などから人や大切な通信・制御機器を保護します。 電話・信号・制御・同軸・
LANなど、目的に応じてさまざまな種類のSPDをご用意しています。
通信・信号回線用SPDの保護対象
- 通信線
- 信号線
- 電話回線
- LAN
- ITV
- 同軸ケーブルなど
耐雷トランス
上記の電源用SPDや通信・回線用SPDは電圧を弱め、電流を逃すことによって機器を守っていましたが、耐雷トランスは耐雷トランス自体が絶縁化されているため、SPD以上に高い性能を有しています。
耐雷トランスとは1次巻線と2次巻線を分離した絶縁トランスを主体とし、これにSPD及びコンデンサなどを付加したトランスです。電源線に侵入した雷サージを内部に組み込まれたSPDで抑制し、さらにトランスの1次巻線と2次巻線の高絶縁化による高い耐雷性能をもつとともに、シールドにより雷サージを減衰させる効果を持ったトランスです。
耐雷トランスはSPDのみよりも効果の高い雷保護装置です。
耐雷トランスの仕組み


耐雷トランスの回路図


耐雷トランスの特徴
- 雷サージの侵入ルートを遮へいし高い耐雷性能を持つ
- 雷サージを1/100~1/10,000に減衰(1/10,000の場合、10,000Vの雷サージ→1V)
- 雷サージに対する耐電圧(耐える力)が30kVと非常に高い
耐雷トランスのメリットデメリット
メリット
- 高い保護性能を持っている
- 電圧変換ができる
デメリット
- 大型で重いため設置場所が限られる
- トランス内の2カ所を絶縁化する必要があるため接地が離れた場所に2カ所必要です
保護効果と導入コストのバランスをとることが大切
避雷器と耐雷トランスを使い分ける場合、保護効果と導入コストのバランスをとること が必要になってきます。高価で重要性も高く雷サージに弱い製品を保護する場合には耐雷トランスで守る方がよいですが、逆に一般的な電気・電子機器等であれば、費用対効果の面で避雷器を使うのが適当だと考えられます。バランスよく設置していくことが大切ですので、御見積含めご相談ください。